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健康住宅研究所

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PRIDE vol.5-1 エクセルシャノン取材

2025.05.02更新

PRIDE ~暮らしをつくる者の矜持~ vol.5-1『健康と快適を届ける高性能な窓のチカラ -株式会社エクセルシャノン取材レポ』

    • 普段何気なく目にしている「窓」
      家づくりを考える際、多くの人はデザインや価格だけに目を向けがちですが、実は窓は、家の快適さを左右する重要な役割を担っています。 窓は外からの心地よい光や風を取り入れるだけでなく、室内の温度や静けさ、さらには省エネによる環境への配慮にまで影響を与える、いわば住まいの「性能の要」とも言える存在なんです!
    家における熱の出入りは、そのほとんどが「窓」から!?
    • なんと、家全体の熱損失のうち、夏は約70%が窓を通して外の熱が室内に入り込み、逆に冬は約50%が窓を通して室内の暖かさが外に逃げていると言われています。


      この数値を見てわかるように、窓がどれくらい熱の出入りを食い止められるか!という「断熱性能」が、家の中の「暑い」「寒い」を左右すると言っても過言ではありません。
      家づくりやリフォームを検討する際には、「窓」こそが暮らしの質を高める重要なポイントであることと、快適さを保ってくれる窓ってどんなものなのか?ということをこの記事を読んで知っていただければと思います!
    お話を伺った人
    株式会社エクセルシャノン 村瀬部長、宮脇担当部長、藤田主任
    インタビュアー
    インタビュアー 大塚 千尋
    • 大塚

      初めまして! インタビュアーの大塚です。 この企画では、暮らしに関する企業を取材し、皆さんがどんな想いで家づくりに携わられているのかを追います。 今回は株式会社エクセルシャノンを取材します!
    住まいの断熱性能が上がらない理由はアルミサッシだった!
    • 窓の断熱性能を考えるとき、「アルミサッシ」が課題であることをご存じでしょうか?断熱性能の目安となる熱伝導率を見れば、その理由が一目瞭然です。 アルミと他の素材を比較すると、熱伝導率に約1,000倍もの差があります。
      例えばフライパンをイメージしてみてください。フライパンの加熱される部分の素材はアルミです。そして、フライパンの持ち手は樹脂で作られています。料理をしていて持ち手が熱くなることはありませんよね?

      このように、樹脂とアルミでは熱の伝わり方にかなりの差があり、樹脂サッシの方がアルミサッシより熱を伝えにくい性質を持っているのです。これだけの差があるため、多くの主要国では窓枠は樹脂で構成することが一般的となっています。それにもかかわらず、日本の住宅ではいまだに多くの窓枠がアルミ製です。

      なぜ日本ではアルミが使われ続けているのでしょうか?
      理由の一つは、アルミが加工しやすく、製造コストを抑えられる点です。高度経済成長期にはアルミの加工性の高さが大量生産を支えていましたが、その状況が現代まで続いているのが現状です。
      しかし、アルミサッシは断熱性能が低いため、室内外の温度差が大きい日本の気候には適しているとは言えません。より快適な住環境を目指すためには、断熱性能に優れた樹脂サッシの導入を検討してみましょう。

      今回取材した株式会社エクセルシャノンは、1976年に日本で初めて純国産樹脂サッシを製造販売した会社で、創業以来省エネや健康、快適な住環境を備えた高品質住宅の普及に取り組んでいます。
    株式会社エクセルシャノンの歴史
    • 大塚

      エクセルシャノンさんが樹脂サッシを作り始めたきっかけは何だったのでしょうか?
    • 村瀬部長

      始まりは1966年頃、当時の親会社であるサン・アロー化学が塩化ビニル樹脂(塩ビ樹脂)の新しい活用法を模索していたことからです。当時、塩ビ製品は景気の影響を受けやすい市況産業でした。その中で、塩ビを大量に使い、付加価値の高い製品として「樹脂サッシ」に可能性を見出しました。
    • 大塚

      なぜ樹脂サッシに注目したのですか?
    • 村瀬部長

      当時の日本では窓といえばアルミサッシが主流でしたが、アメリカの専門誌で樹脂サッシを知り、その素材が塩ビ樹脂であることを発見しました。これがシャノンウインド開発のきっかけとなりました。  
    • 大塚

      雑誌に出てくる言葉から、活用方法をひらめいたのですね!!ただ、日本では前例のないことを始められたということで、開発にはとても苦労されたのではないでしょうか?  
    • 村瀬部長

      ドイツの技術を参考にしつつも、試行錯誤の連続だったと聞いています。特に、押出成型で作られる樹脂フレームは変形しやすく、設計通りに組み立てるのが難しかったのです。当時は高価な機械を導入し、原料の配合を調整しながら何度も試作品を作ったそうです。
    • 大塚

      そこからどのように展開していったのでしょうか?
    • 村瀬部長

      1975年、札幌の「北海道立寒地建築研究所」に試作品を設置しました。厳しい寒さの中、樹脂サッシの断熱性が高く評価され、その結果研究者の自宅にも採用されました。
    • 村瀬部長

      その後、1976年に「寒地住宅研究会」が建てたモデルハウスに、日本初の樹脂サッシ「シャノンウインド」が採用されます。厳しい実験の結果、気密性と断熱性が実証され世間に広く認知されました。
    • 大塚

      なるほど。ただ、私も最初「樹脂」という言葉を聞いたときにバケツを思い浮かべて「壊れやすいのではないか」というイメージを持ちましたが、そのようなイメージを持たれる方は少なくなかったのではないでしょうか。
    • 村瀬部長

      確かにそのようなイメージを持たれる方は多かったと思います。樹脂というと日用品のイメージが強く、住宅用の素材としては馴染みがありませんでした。しかし、樹脂サッシに使用される塩ビ樹脂は、非常に耐久性が高く、変形しにくい特性があります。実際に寒冷地での試験を通じてその性能を証明し、多くの方にご理解いただけるようになりました。
    • 大塚

      今では北海道のほとんどの住宅が樹脂サッシを使用していると聞きます。
    • 村瀬部長

      そうですね、今後は本州以西でも樹脂サッシのメリットである「省エネルギー性」や「快適な室内空間の提供」という部分を活かして、より多くの方の住まいに広めていきたいと考えています。

談を終えて

日々何気なく目にしている窓が、実は断熱性能や快適性、さらには地球環境の保全にまで大きく貢献していることに驚きでした。

 

今回は、断熱性能に優れた「樹脂サッシ」を開発・販売し、日本のリーディングカンパニーとして活躍されているエクセルシャノンを取材させていただきました。「日本初の純国産樹脂サッシ」を開発するまでの挑戦の軌跡には、確固たる信念と果敢な努力が詰まっていました。特に、「塩ビ樹脂」という素材の可能性に着目し、その性能は寒冷地で何度も重ねた試行錯誤により証明されました。それはまさに日本の住宅窓の新たなスタンダードを切り開いた瞬間だったのではないでしょうか。

 

取材を通して、これからの家づくりにおける「窓の選び方」の大切さを改めて学ばせていただきました。そして、デザインや価格だけでなく、快適さや省エネ性能を考えた選択が人と地球の健康を実現し、暮らしを豊かにする第一歩になると確信しました。

 

次回はエクセルシャノンの工場を見学させていただきながら、「窓にかける想い」についてお伺いしたいと思います。住まわれるご家族の健康で快適な暮らしに、真剣に向き合われている姿が印象的でした。是非次回の記事もお楽しみに!!

 

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