
健康住宅研究所
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PRIDE vol.4-2 旭化成建材取材

2025.03.21更新
PRIDE ~暮らしをつくる者の矜持~ vol.4-2『断熱材事業を通じて「あたたかい暮らし」を実現する -旭化成建材取材レポ 後編』
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こんにちは!健康住宅インタビュアーの大塚です。 快適な住まいを支える上で欠かせない存在となる断熱材。 エネルギー効率を向上させるだけでなく、結露やカビを防ぐことで家自体が長持ちすると共に、そこに住む人の健康的な生活を実現します。 そんな断熱材に長年取り組み、日本の住宅性能を牽引してきた旭化成建材。 今回の取材記事では、2050年のカーボンニュートラルを見据えた最新の取り組みや、未来の住まいづくりを支える挑戦についても深堀りし、住まいの新たな可能性を一緒に考えました。
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押川部長
今回は弊社の最新の取り組みや、今後の未来の住まいづくりへの挑戦についてお伝えできればと思います。 -
大塚
初めまして! インタビュアーの大塚です。 この企画では、暮らしに関する企業さんを取材し、皆さんがどんな思いで家づくりに携わられているのかを深堀りします。 今回は断熱材事業を通してあたたかな暮らしを届ける旭化成建材を取材します! -
大塚
断熱材の性能を実際に体感できる実験棟「ネオマの家」では、医学的なアプローチも取り入れていると聞きましたが、具体的にはどのような取り組みなんですか? -
押川部長
はい、私たちは断熱と健康の関係性を検証するために、室温が人体に与える影響を医学的観点から調査しました。 その中で特に注目したのが「モーニングサージ」です。 -
大塚
モーニングサージとは何ですか? -
押川部長
モーニングサージとは、起床時に交感神経が活性化し血圧が急激に上昇する現象を指します。 この現象は、脳卒中や心筋梗塞などの循環器系疾患のリスクを高めるとされています。 私たちはこのモーニングサージという現象の発生を抑制する住環境の実現を目指しました。 -
大塚
結果はどうだったのでしょうか? -
押川部長
暖かい「ネオマの家」では、年齢に関係なくモーニングサージが確認されなかったのです。 室温が安定することで、自律神経への負担が軽減されたと考えられます。 -
大塚
安定した室温が自律神経に作用して、その結果住む人の健康にまで良い影響を与えるんですね。それは驚きです! -
押川部長
そうなんです。家の温熱環境が健康に与える影響を証明できたのは、とても大きな成果だと思っています。 断熱材の役割は、快適さだけでなく、こうした健康リスクの軽減にもつながることを一人でも多くの方にお伝えしたいですね。 -
大塚
医学的に証明されたことで、さらに信頼感が増しますね。 -
押川部長
はい。これからも科学的根拠を基に、断熱材が人々の快適で健康な生活にどれだけ貢献できるかを広めていきたいと思っています。 「ネオマの家」の取り組みが、その第一歩になると考えています。 -
こうした健康志向の取り組みと並行して、旭化成建材では地球規模の課題であるカーボンニュートラルにも積極的に取り組んでいます。
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大塚
旭化成建材さんでは、カーボンニュートラルに向けて具体的にどのような取り組みをされていますか? -
小野マネージャー
カーボンニュートラルに向けた最初のステップとして、二酸化炭素の削減に力を入れています。 工場では、以前は重油を使用していましたが、現在は天然ガスを使用することで環境負荷を軽減しています。 -
大塚
製品としても環境に配慮されているのでしょうか? -
小野マネージャー
はい、製品としてもできる限り環境負荷の少ない選択を目指しています。 ただ、ウッドファイバーなど木繊維の断熱材を用いて性能を向上させるのは、現実的には難しい部分もあります。 そこで、まずは高い断熱性能と環境配慮を両立した弊社製品“ネオマ”を使った高断熱住宅を普及させることが、カーボンニュートラルの実現への第一歩だと考えています。 -
大塚
そうですね。快適な住まいを増やすという取り組みには私たちもとても共感します。 -
小野マネージャー
そしてその次のステップとして、研究所ではフェノールという素材のグリーン化を進めています。 また、製造過程で出る端材をマテリアルリサイクルすることで、廃材を出さない仕組みづくりに積極的に取り組んでいます。 さらに、学校の断熱改修プロジェクトにも携わるなど、幅広い分野でカーボンニュートラルに貢献しています。 -
大塚
今回の取材を通して、「性能の数値が良ければ快適で健康に暮らせる家」と一概には言えないということがよく理解できました。 -
小野マネージャー
その通りです。快適な住まいというのは、断熱性能だけでなく、気密性や換気経路、さらにはデザイン性や使い勝手といった多くの要素が複雑に絡み合って成り立っています。 だからこそ、健康的で美しい住まいを追求する健康住宅さんと協力することで、より良い住まいをお客様に提案できていると感じています。 私たちは工務店さんとも連携し、技術面でも安心していただける家づくりを目指しています。 -
大塚
私たちは「機能と美と健康」をブランドミッションに掲げていますが、この考え方は、住まいを通じて生活の質を高めることに直結していると信じています。 「機能性」や「美しいデザイン」を追求しつつ、健康的な暮らしを実現するということを、住宅業界の新しい常識にしていきたいです。 -
押川部長
健康住宅さんのミッションには非常に共感しますね。 「運動」「栄養」「精神」が健康を支える重要な要素として注目されてきましたが、近年では「環境」、特に「住まいの環境」が健康に与える影響も重視されるようになりました。 人は一日の大半を家で過ごします。そのため、室温や空気の質が心身に与える影響は非常に大きいのです。 -
大塚
その「室温」がどのように健康に影響するのか、具体的に教えてください。 -
押川部長
例えば、「ネオマの家」のような高断熱・高気密住宅では、室温が安定しているため、冷えが原因となる循環器系疾患のリスクを低減できることが実証されています。 特に寒暖差のない環境は、体への負担を減らし、心身をリラックスさせる効果があります。 寒さに悩むことなく、安心して過ごせる住まいを提供できることは大きな価値だと考えています。 -
小野マネージャー
デザインと機能が融合することで、家事動線の効率化や収納スペースの活用が実現し、住む人のストレスが減ります。 その結果、生活が快適になるだけでなく、より健康的な暮らしを支える住まいが完成しますよね。 -
大塚
「機能」「美」「健康」が住まいの中でバランスよく組み合わさることで、住む人の生活そのものが豊かになるということですね。 -
押川部長
そうですね。そして、こうした住まいを実現するためには、「室温」に投資する価値をお客様にしっかり伝えていくことが大切です。 理想的な温熱環境を整えることは、贅沢ではなく、健康で快適な暮らしには欠かせない要素だと思います。 -
大塚
私たちも「機能と美と健康」を基盤にした家づくりを通じて、住む人が「家に帰るのが楽しみ」と思える住まいをこれからも提供していきたいです。 -
押川部長
私たち旭化成建材も健康住宅さんと共に、この理念を共有しながら、住まいの可能性をさらに広げていきたいですね。
お話しを伺った人

旭化成建材株式会社 押川部長、佐々木課長、小野マネージャー
インタビュアー

健康住宅インタビュアー 大塚 千尋
ネオマの家でのユニークな取り組み
カーボンニュートラルへの挑戦と住まいの未来
住まいの快適さと「機能・美・健康」が生み出す価値
対談を終えて
今回の取材では、旭化成建材さんが断熱材事業を通じて「あたたかい暮らし」を実現するため、多くの努力と熱い情熱を注がれている姿勢に触れることができました。
特に、室温と健康の関係性を科学的に解明し、モーニングサージを抑える住環境の実現や、カーボンニュートラルに向けた挑戦など、快適さの実現と環境への貢献を両立する取り組みに感銘を受けました。また、「ネオマの家」を中心に広げていく住まいの可能性が、健康的な暮らしの未来を切り開いていくと確信しています。
この記事をもって旭化成建材さんの取材レポは終了となりますが、これからも住宅業界に心地よい住まいを共に広めていきましょう!
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