
健康住宅研究所
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PRIDE vol.4-1 旭化成建材取材

2025.03.07更新
PRIDE ~暮らしをつくる者の矜持~ vol.4-1『断熱材事業を通じて「あたたかい暮らし」を実現する -旭化成建材取材レポ 前編』
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こんにちは!健康住宅の大塚です。
快適な住まいを支える上で欠かせない存在となる断熱材。 エネルギー効率を向上させるだけでなく、結露やカビを防ぐことで家自体が長持ちすると共に、そこに住む人の健康的な生活を実現します。 このように、住まいにとって重要な存在である断熱材に長年取り組み、日本の住宅の高性能化の一翼を担ってきた旭化成建材。 今回の取材記事では、同社の断熱材開発の歴史や、快適性と環境への貢献を追求する社員の熱い想いに迫ります。 -
押川部長
こんにちは!旭化成建材の押川です。 旭化成建材は断熱材を通じて快適性と環境への貢献を追求する会社です。 今回は是非皆様に弊社の信念をお伝えできればと思います。 -
大塚
初めまして! ブランド推進室の大塚です。 この企画では、暮らしに関する企業さんを取材し、皆さんがどんな思いで家づくりに携わられているのかを深堀りします。 今回は断熱材事業を通してあたたかな暮らしを届ける旭化成建材を取材します! -
大塚
お家を検討し始めた方にとって「断熱材」はよく耳にする言葉だと思います。実際にどんな役割をしているのですか? -
佐々木課長
簡単に言うと、断熱材は熱を通しにくくする素材なんです。 これを使うことで、夏は涼しく冬は暖かい環境を作りやすくなります。 だから、冷暖房の効率が良くなって光熱費も抑えられるんですよ。 -
大塚
クーラーボックスにも断熱材が入っていますよね! -
佐々木課長
はい、実は冷蔵庫や食品保冷容器、さらには工場設備なんかにも使われています。 温度管理が必要なところでは断熱材が大活躍していますよ。 -
大塚
なるほど、そうなんですね!でも、どうして熱を通しにくくなるんでしょう? -
佐々木課長
その秘密は、断熱材の中に含まれる空気層にあります。 断熱材には空気の層があって、熱が伝わるのを防いでいるのです。 それに加えて、特殊な素材を使っているので、家の外の気温の影響を最小限に抑えることができます。 -
大塚
断熱材が家の寿命にも関係していると聞いたことがありますが、具体的にはどういうことですか? -
佐々木課長
結露やカビの発生を防ぐ効果があります。 その結果、家の柱や建材などの木材が長持ちするので、メンテナンスの頻度も減り、家計にも優しいというわけです。 -
大塚
なるほど、それは長い目で見ても安心ですね!利点は他にもありますか? -
佐々木課長
そうですね、断熱材はエネルギー効率の向上だけでなく、住む人の健康にも良い影響を与えます。 室温が快適になることで、免疫力が向上し病気にかかりにくくなるなど、住まいがより心地よい場所になりますよ。 -
大塚
旭化成建材さんの断熱材事業はいつから始まったのでしょうか? -
押川部長
私たちの断熱材事業は1962年からスタートしました。 当初はダウケミカル社との共同開発で「スタイロフォーム」という製品を作っていましたが、その後は自社での研究開発に力を入れるようになりました。 -
大塚
自社開発に踏み切るのは大変だったのではないでしょうか? -
押川部長
確かに最初は苦労しました。 でも、その甲斐あって1984年には“サニーライト”という新しい断熱材を開発しました。 これが木造住宅の床下用に広く使われるようになり、販売も順調に伸びました。 -
大塚
その後もどんどん進化していったんですね。 -
押川部長
はい、1990年代には環境に配慮した“ネオマ®フォーム”を完成させました。 “ネオマ®フォーム”は高い断熱性能と環境配慮を両立した断熱材です。 これが業界を一歩リードする製品となり、日本の住宅の変革にも貢献しました。 -
大塚
今までにない革新的なものを生み出されたのですね! でも新しいものを市場に浸透させるのは難しかったのではないでしょうか・・・? -
押川部長
そうですね。初めはコストや需要の面で課題が多かったです。 でも外張り断熱が注目されるようになってからは、採用が徐々に増えていきました。 今でもさらに高性能な製品の開発に取り組んでいます。 -
大塚
市場のニーズに応えるためにどのような工夫をされていますか? -
押川部長
お客様の声を丁寧にヒアリングし、それを製品開発に反映させる仕組みを整えています。 また、断熱性能だけでなく施工のしやすさや耐久性など、さまざまな観点から改良を重ねています。 -
大塚
断熱材の性能数値だけでなく、実際に住む人の体感を重視されていると聞きましたが、それについて教えてください。 -
小野
マネージャーその通りです。私たちは2016年に茨城県に“ネオマの家”という実験棟をオープンしました。 この施設では、どの部屋も16℃を下回らない家を目指して開発が進められました。 当時はHEAT20といった基準もなかったので、イギリスの指標を参考に取り組みました。 -
大塚
業界でいち早く取り組まれてみて、手応えはいかがでしたか? -
小野マネージャー
6畳用のエアコン1台を20℃に設定し、それだけで延床面積130㎡の家全体を16℃を下回らない快適な温度に保つことができました。 この結果は、断熱材の性能だけでなく、実際に住んだときの体感が非常に重要だと改めて感じさせられるものでした。 -
大塚
一定期間滞在してみて初めて実感できる快適さということですね。 -
小野マネージャー
そうなんです。社員全員が実験棟で宿泊体験を行い、その重要性を実感しています。 まさに「百聞は一見にしかず」ですからね。 社員自らの体験を通して断熱材の価値をより深く理解し、直接お客様にお伝えできるのが私たちの強みです。 -
大塚
人の体感を重視されているのには何か理由があるのでしょうか? -
小野マネージャー
私たちは「人基準の家」を広めていくことをミッションとしています。 断熱材の性能を最大限活かしながら、実際に住む人々の暮らしをより快適にするために努力を続けています。 -
大塚
小野さんのこれまでの経験で、特に印象に残っているエピソードはありますか? -
小野マネージャー
そうですね、私自身の話になりますが、以前は建材に関わる印刷会社で営業をしていました。 床材や化粧シートを扱っていたのですが、その頃は自分の仕事が本当に世の中の役に立っているのか自信を持てなかったんです。 -
大塚
転職が大きな転機になったんですね。 -
小野マネージャー
そうなんです。旭化成建材に来て、カーボンニュートラルや脱炭素といった社会的課題に取り組む製品を提供できるようになり、誰かの快適な生活に直接貢献できていると実感しました。 それが大きなやりがいになっています。 -
大塚
その熱意が伝わってきます!今後はどのような方向を目指していきたいですか? -
小野マネージャー
まだまだ満足しているわけではありません。 社内では“断サル”という断熱材コンサルティングの活動もしています。 これは、ただ製品を売るだけでなく、住まい全体の快適性を提案する取り組みです。 -
大塚
「断サル」面白いですね!お客様にとっても頼もしい存在になりそうです。 -
小野マネージャー
そうですね。社員全員が省エネ建築診断士の資格を取得し、断熱材のプロフェッショナルとしてお客様に寄り添う体制を整えています。 これからは環境との共生をさらに深め、環境配慮型の製品開発にも力を入れていきたいと思っています。 住まいだけでなく、社会全体をより良くする一助になりたいですね。
お話しを伺った人

旭化成建材株式会社 押川部長、佐々木課長、小野マネージャー
インタビュアー

ブランド推進室 大塚 千尋
【基礎編】断熱材って何だろう?住まいとの関係
旭化成建材の断熱材の歴史を振り返る
「人基準の家」を広めていく
“断サル”としてのプライド
対談を終えて
今回の取材では、旭化成建材さんが断熱材を通して住まいの快適性と環境への貢献を真剣に追求されている姿勢に感銘を受けました。
体感を重視した取り組みや「人基準の家」を広めたいという熱意には心を動かされた方も多いのではないでしょうか?実験棟での社員の宿泊体験や、省エネ建築診断士資格の取得など、言葉だけではなく実際の行動で信頼を築いている点が印象的でした。
また、断熱材の性能だけでなく、施工性や耐久性といった多角的な視点で改良を重ねている企業としての姿勢は、住まいの可能性を大きく広げていると感じます。
今回の記事が、皆さまの住まいづくりや快適な暮らしへのヒントとなれば幸いです。次回の記事では、旭化成建材さんの興味深い取り組みや見据えている未来についてお話を伺います。
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