健康住宅研究所
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PRIDE vol.2-3 TOTO取材
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2024.10.18更新
PRIDE ~暮らしをつくる者の矜持~ vol.2-3『衛生陶器で美しい生活を届ける -TOTO取材レポ 今後の未来編』
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こんにちは!健康住宅の大塚です。 今回は、世界のブランドとして有名な水まわり住宅総合機器メーカーTOTO株式会社を取材いたします! TOTO株式会社の本社・小倉第一工場敷地内にある衛生陶器工場とミュージアムの見学をさせていただくことになりました。 その中で、2050年カーボンニュートラルの実現へ向けた取り組みなど、これから目指す未来についてお伺いしました。先人の志を、次の100年に向けて継承すべく進化し続ける姿をお届けします。
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古賀室長
こんにちは!TOTOの古賀です。 TOTOミュージアムではTOTOの歴史や創業者の想いをより多くの人に伝え、TOTOのファンになっていただくための様々な展示があります。 ぜひお楽しみください! -
大塚
初めまして! ブランド推進室の大塚です。 この企画では、暮らしに関する企業さんを取材し、皆さんがどんな思いで家づくりに携わられているのかを追究します。 今回は衛生陶器で美しい生活を届けるTOTOさんを取材します! -
大塚
TOTOの企業文化には、長い歴史の中で培われてきた価値観が根付いていると聞きました。 具体的にはどのようなものなのでしょうか? -
古賀室長
そうですね、TOTOには今日まで大切にされてきた「先人の言葉」という非常に重要な教えがあります。初代社長が二代目社長に送った書簡で、「どうしても親切が第一、良品の供給、需要家の満足が掴むべき実体です。この実態を握り得れば、利益・報酬として影が映ります」と記されています。かみくだきますと、「良い商品を供給し、お客様に満足していただくために努める。その結果として利益が生まれる。利益を先に追いかけると、実態を捉えきれずに企業の寿命は尽きる」という教えです。1917年の創立以降、TOTOの歴代経営者を念頭に置いて経営の舵取りを続けてきました。この先人の言葉が私達社員へも浸透しています。 -
大塚
「どうしても親切が第一」というのは、非常にシンプルでありながら深い意味がありそうですね。 -
古賀室長
その通りです。私たちTOTOでは、この言葉を単なる理念として掲げるだけでなく、実際の行動に移すことが求められています。上司や先輩の背中を見て学び、日々の事業活動の中で実践することで、この理念が自然と浸透していきます。いわゆる「企業理念は知識ではなく、行動の一部」という風土が形成されています。 -
大塚
その信念がTOTOの強さにつながっているのですね。社員一人ひとりがその理念をしっかりと理解し、実践することで、全社的に一丸となって取り組めるのが大きな強みだと感じます。 -
古賀室長
ありがとうございます。これがTOTOグループの最大の強みであり、私たちが誇りに思う企業文化です。 -
大塚
TOTOが掲げている「共通価値創造戦略TOTO WILL 2030」についてお話を伺いたいのですが、これはどのようなビジョンを持っているのでしょうか? -
古賀室長
「TOTO WILL 2030」は、私たちTOTOが2050年にカーボンニュートラルで持続可能な社会を実現することを見据えた長期ビジョンです。重要課題であるマテリアリティを「きれいと快適・健康」「環境」「人とのつながり」として、サステナビリティ経営を推進し、地球環境に負荷をかけずに豊かで快適な未来社会を実現するとともに、経済的成長の実現を目指しています。 -
大塚
2050年のカーボンニュートラルを見据えて、まずは2030年の目標があるということですね。「マテリアリティ」とはどういう意味を持っているのでしょうか? -
古賀室長
先人の志は「TOTOグループ企業理念」 として脈々と受け継がれ、この先も私たちが全社一丸となって目指していく姿を指し示しています。 マテリアリティは、それを実現していくにあたって取り組むべき重要課題という意味ですね。 -
大塚
企業理念に基づいているのですね。「きれいと快適・健康」「環境」という言葉に「人とのつながり」が入っていることが私にとっては意外でした・・・商品を作るだけではなく、お客様に愛される企業になるという強い意志が感じられます。 -
古賀室長
そうですね。事業を通じて社会の発展に貢献し、世界中の人々から信頼される企業を目指しています。私たちは、お客様や社員、株主、お取引先様、さらには社会全体と、信頼できるつながりを大切にしており、これらのステークホルダーとのコミュニケーションを通じて、より良い信頼関係を築きたいと考えています。 -
大塚
健康住宅も8月から「機能と美と健康」を新たなミッションに掲げました。「機能」を最大化して「美」しいデザインを追求し、その先にある何よりもかけがえのない「健康」というあたりまえを超えてお客様のミライをつくるという意味があります。TOTOさんも同じく、商品を通して叶えたいミライがあり、それを社員全員でひたむきに取り組まれている姿を実感することができました。 -
古賀室長
お互いに協力し合って、よいミライを作っていきましょう! -
大塚
はい。楽しみです! -
大塚
次に2050年のカーボンニュートラルに向けた取り組みについてもお話を伺いたいと思います。まず、TOTOが目指すカーボンニュートラルとはどのようなものなのでしょうか? -
古賀室長
特に力を入れているのが、商品ライフサイクル全体でのCO2排出量の削減です。多くの商品は10〜20年と長く使用されるため、ライフサイクル全体で見た場合、商品の使用時に排出されるCO2が全体の9割以上を占めています。 -
大塚
商品の使用時に多くのCO2が排出されるというのは驚きです。具体的には、どのようにCO2排出量を削減しようと考えているのですか? -
古賀室長
そのため、私たちは「サステナブルプロダクツ」という概念に基づいて、環境性能を向上させながらも「きれいと快適・健康」を両立させる商品開発を行っています。2030年までに、このサステナブルプロダクツの構成比を83%にすることを目標にしています。例えば、浴室においては、デザインを美しくしつつも、保温性の高い「魔法びん浴槽」や節湯機能を強化し、お客様により快適なお風呂時間を提供できるよう努めています。 -
大塚
確かに、日常的に使用する浴室の快適さと環境性能の両方が高まるのは嬉しいですね。具体的に他の商品でも、環境に配慮した取り組みが進んでいるのでしょうか? -
古賀室長
そうですね。便器の節水への取り組みも大きな例です。1950年代の大便器洗浄水量は1回あたり20リットルもの水を消費していました。社会の発展にともない、都市部を中心に水不足の問題が深刻化し、トイレの節水は重要な課題となった背景もあり、TOTOは1976年に初代節水便器を発売。洗浄水量を13リットルまで削減しました。その後、研究開発を重ねた結果、TOTO独自開発の節水技術により現在の最新モデルでは洗浄水量はわずか3.8リットルまで削減しました。このように、洗浄能力を維持しつつ、節水性能を大幅に進化させています。さらに、古い便器を節水便器に取り替えることで、水資源の保全だけでなく、CO2排出量の削減にも貢献しています。 -
大塚
節水便器の進化には驚きです。20リットルから3.8リットルまで削減されたというのは、環境保全への大きな貢献ですね。リモデルによる取り替えも、持続可能な暮らしへの一歩になりますね。 -
古賀室長
まさにその通りです。こうした取り組みを進めることで、私たちはカーボンニュートラルに向けた具体的なアクションを積み重ねています。TOTOの商品が、お客様の生活を豊かにするだけでなく、地球にも優しい存在であることを目指しているのです。 -
大塚
お客様がTOTOの商品を選ぶことで、自然に環境貢献に参加できるというのは素晴らしい取り組みですね。 -
大塚
今日は、TOTOが海外市場に向けて取り組んでいる戦略についてお伺いします。TOTOは国内で培った高品質な商品とサービスを、海外にも展開されていると伺いましたが、具体的にどのようなステップで進めているのでしょうか? -
古賀室長
はい、私たちは日本国内で長年培った高品質な商品とサービスを、各国や地域のニーズに合わせて提供し、「その国・地域のTOTOになる」こと、すなわち現地に根を下ろして現地とともに発展し、他ならぬその国・地域の人々に必要とされる会社となることを目指しています。海外市場においては3つのステージで、質の高い商品とサービスを各国・地域に合わせて提供します。 -
大塚
3つのステージですか。それぞれのステージでの取り組みについて詳しく教えてください。 -
古賀室長
まずステージ1ですが、これはホテルや空港などの著名物件に向けたアプローチです。私たちの高品質な商品をこうした場所に提供することで、世界中のお客様にTOTOの製品を実際に使用していただく機会を増やし、商品ブランドとの接触機会を広げていくことが目的です。 -
大塚
ホテルや空港といった場所でTOTOの商品を目にしたり、使ったりすることで、自然にブランドの印象が強まりますね。 -
古賀室長
そうですね。ステージ2では、代理店や代理店ショールームの整備に取り組み、販売網の強化を行います。これによって、各国や地域におけるTOTO製品へのアクセスが容易になり、商品をより身近に感じてもらえるようになります。 -
大塚
地域ごとに代理店をしっかりと整備することで、現地のお客様も安心して購入できるようになりますね。では、ステージ3ではどのような展開が予定されているのでしょうか? -
古賀室長
ステージ3では、TOTOの直営ショールームを設置し、さらに強力な接点の確立を目指します。このショールームでは、商品のプレゼンテーションやセミナーを実施し、現地のプロフェッショナルやお客様に向けて、TOTOの価値を直接伝える機会を増やします。 -
大塚
直営ショールームでのプレゼンやセミナーを通じて、TOTOの商品や技術の優位性がしっかり伝わりそうですね。ステージ1から3までの取り組みが、段階的にブランドを確立していく流れがよくわかりました。 -
古賀室長
ありがとうございます。TOTOは、各国・地域に合わせた最適な形で、現地のお客様に価値を提供していくことを大切にしています。そして、世界中でTOTO製品が「高級ブランド」として認識されるよう、これからも挑戦を続けていきます。
お話を伺った人
インタビュアー
これからも変えてはいけない「どうしても親切が第一」
TOTOの目指す姿
カーボンニュートラルに向けた取り組み
世界中の人々にきれいで快適な毎日を
対談を終えて
いかがでしたでしょうか?
TOTOがまだまだ進化し続けている熱意を感じていただけたのではないかと思います。
私も熱が入っていたのか、気づけばTOTOミュージアム閉館の時間を過ぎてしまうくらい、夢中で話を聞き続けていました。
今回の取材で、TOTOが目指す「きれいと快適・健康」「環境」「人とのつながり」と、健康住宅が掲げる「機能と美と健康」に共通の価値観があることに気づきました。
どちらも住む人々の健康を大切にし、機能性と美しさを両立させることを目指しています。
また、環境への配慮や、長く安心して住める環境を提供し続けているという点でも、似た価値観を持っていると思います。
こうした共通の考え方が、これまでの長い信頼関係を築いてきた要因だと感じました。
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