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健康住宅研究所

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子育て×住環境のアプローチ<前編>

2025.02.07更新

子育て×住環境のアプローチ 楢葉先生×健康住宅スペシャルトークセッション<前編>

健康な毎日を過ごすための住まいづくりに取り組む健康住宅。中でも近年力を入れているのが、子育て世代の方々に向けた住環境の提案です。この度、絵本創造未来機構より楢葉博美先生をお招きし、子育ての土台作りについて、健康住宅スタッフと語り合うトークセッションを開催。子どもの心と体の成長を支える「絵本の力」と「住まいの環境」について、興味深い対話が繰り広げられました。健康住宅ラボでは、このトークセッションを前編と後編に分けてお届けいたします。前編では、楢葉先生を交えた「子育ての土台作り」についての対談をご紹介します。

    トークセッション スペシャルゲスト
    楢葉 博美(絵本創造未来機構講師)
    • 楢葉 先生

      3人の男児の母として子育てに奮闘中。海外赴任時の経験から、子どもの心の育ちに着目。絵本を通じた子育て支援に取り組む。

    トークセッション 参加者
    大穂(健康住宅 新築営業)
    • 大穂

      家族と共に1歳の娘の子育てに奮闘中。住まいの性能と家族の健康について、日々お客様へ提案を行う。

    トークセッション 参加者
    長野(健康住宅 インテリアコーディネーター)
    • 長野

      健康住宅に入社16年目。2児の母として子育てをしながら、コーディネーターとして活躍中。

    心の力を育む絵本との出会い
    • まず楢葉先生が、絵本を通じた子育て支援に取り組まれるようになったきっかけを教えていただけますでしょうか。
    • 楢葉先生

      私と絵本の出会い

      私が子育てを始めた当初は、子どもの学力向上に重点を置いていました。特に英語で苦労した経験から、幼少期からの教育の重要性を感じていたんです。

      ところが、夫の仕事の関係で家族で中国に引っ越したときに、大きな気づきがありました。学力や英語力はもちろん大事なのですが、それだけではない。それを使いこなせる「心の力」、人間力という土台があってこその学力なのだと実感したんです。

      そんなとき出会ったのが絵本でした。絵本を通じて、私が求めていた心の力を育むことができると知り、感動しました。絵本なら言葉の力も伸ばせるし、私が子どもにつけてあげたいと思っていた地頭力も育める。これは取り入れない手はないと思いました。

    親子で楽しむ時間づくりと絵本選びのコツ
    • 「絵本の選び方について、アドバイスをいただけますでしょうか?
    • 楢葉先生

      絵本の楽しみ方

      一番大切なのは、お子さんが楽しんでいるかどうかです。図書館で何冊か借りて読んでみるところから始めるのがおすすめです。全部購入するのは大変ですし、図書館なら色々な本を試すことができますからね。

      それと、意外かもしれませんが、お母さんが好きな絵本を選ぶのも良いポイントです。お母さんが好きな本だと、お子様に自然と楽しく読み聞かせができるんです。

      特に大きくなってくると、つい「勉強のため」という義務感から読んでしまいがちですが、子どもはそれを敏感に感じ取ります。

      大切なのは、親子で一緒に楽しむ時間を作ること。お母さんが楽しんで読んでいると、自然と子どもも興味を持ってくれます。そうやって一緒に楽しむ中で、子どもの興味や関心も見つけやすくなってきますよ。

    親も子も自己肯定感を育む絵本の力
    • 絵本にはさまざまな役割があると思いますが、楢葉先生が特に大切にされている点を教えていただけますでしょうか?
    • 楢葉先生

      EQと絵本の力

      最近よく耳にする「EQ(非認知能力)」と呼ばれるものです。何かあったときに「よし、もう一度やってみよう」と立ち上がる力、人とコミュニケーションを取って良い関係を築く力、そして「自分は自分でいい」と認められる自己肯定感。これらは幸せに生きていく上で欠かせない力だと考えています。

      実は、私自身も振り返ってみると自己肯定感が低かったんです。子どもに自己肯定感をつけてあげたいと思っていた原点には、実は自分自身の課題があったことに気づきました。

      お母さんも自分を認め、子どもも自分を認められる。そんな幸せな育児や家庭を作っていくために、絵本は素晴らしいツールになると確信しています。

    子育ての土台を支える住まいの環境
    • 幸せな子育てをするために、親自身の自己肯定感も大切だと楢葉先生はよく仰っていますよね。自分を大事にすることで、結果的に子どもも大事にできる。家づくりも「その人の好きを叶える環境を作れる」という意味で、家族の幸福感に大きく関与できるのではないかと思いました。
    • 楢葉先生

      住環境と子育て

      はい、まさにその通りですね。健康住宅さんは住環境から幸せな子育ての土台作りをされている。

      おうちの中で子どもが安心して過ごせる環境があってこそ、外でチャレンジする力も養われていくと思います。

    • 長野

      間取りづくりへの想い

      コーディネーターとして特に大切にしているのが、ご家族一人ひとりの想いにしっかりと耳を傾け、「好き」を叶える間取りづくりです。

      例えば、私自身の経験でも、以前は壁付けの狭いキッチンで子どもと一緒に料理をすることが難しかったのですが、広いペニンシュラキッチンに変えたことで、家族で調理を楽しめるようになりました。

      環境が変わることで、家族の時間の過ごし方も大きく変わるんです。

    • 大穂

      住環境と健康への影響

      そうですね。住環境は目に見えないところでも家族の健康に大きく影響します。

      例えば、自然素材にこだわった当社の家でも、やはりキッチンや建具などを搬入すると新築特有の臭いがします。ところが抗酸化リキッドを噴霧することで揮発性化学物質を分解するので、きれいな空気を保てるんです。

      実際に、私の兄の家族も健康住宅の家に住んでから、体調の改善を実感しているそうです。

      また、室内のCO2濃度が高くなると、適切な環境で勉強した子に比べて学習効果が低下するという調査結果もあります。

      たくさんお金をかけて塾に入れて勉強をがんばっている方も多いと思うのですが、そもそもの学習している環境がよくないと結果が出にくい。勉強の環境づくりという点で換気は大切です。

      さらに、健康住宅では空気の質までこだわっており、大きな強みだと思っています。

    家族の幸せを育む住まいづくり
    • 最後に、これからの子育てと住まいについて、お考えをお聞かせください。
    • 長野

      親子のコミュニケーションと暮らしの提案

      今日は絵本のお話から始まり、改めて親子のコミュニケーションの大切さを学ばせていただきました。

      コーディネーターとして、もっと暮らしに寄り添ったご提案をしていきたいと感じています。

    • 大穂

      自己肯定感と幸せのサイクル

      本日のお話を通じて、親が自己肯定感を高めていくことの大切さを実感しました。

      それは絵本を通じてもできるし、家づくりを通じてもできる。家事が楽になることで時間的な余裕が生まれ、子どもとの時間が増える。

      そういった幸せのサイクルを、住まいづくりを通じて提供していきたいと思います。

    • 楢葉先生

      住環境と両面からのアプローチ

      私も今日はたくさんの学びがありました。睡眠や学習能力が住環境で変わってくるということも初めて知りました。

      私たちはソフト面からアプローチしていますが、住宅というハード面が整うことでより理想に近づける。

      両方の視点が大切だと感じました。

談を終えて

前編では、絵本と住まいを通じた子育ての土台作りについて、それぞれの専門家の視点から語っていただきました。
続く後編では、実践的な「知育を考えた住環境づくり」について、具体的なポイントをご紹介いたします。